盛り付け

 

盛り付けの作法

盛付けの美しさは、日本料理の大きな特徴です。調理した食材を彩りよく並べるだけでなく、器の質感や絵柄なども吟味し、季節や風情を盛り込むことも、調理の一つとされる。箸を右手で扱う右利き向けの配膳が基本となっています。料理の盛り付けの作法は、次のとおりです。

ご飯は左、味噌汁は右。古来より左が上位と扱う文化(左大臣は右大臣より上位、など)のため、主食のご飯を左に置くのが正しいのです。

尾頭付きの魚の盛り付け方は、頭を左、腹を手前側に向ける(ただし、カレイに限っては、頭を左にして腹を上にしたり白い面を表にして腹を手前にしたりする場合がある)。

魚の切り身の盛りつけ方は、魚の種類によって、皮を上にする「皮表」とすべき場合と、身を上にする「身表」とすべき場合がある。ほとんどの魚は皮表で盛りつけます。したがって、皮を上側、身を下側にして盛りつける(鮭などで薄い切り身となっている場合には、皮を奥側、身を手前側とする)。これに対し、ウナギ、アナゴ、ハモなどは身表とする。

長い食材は、長方形の皿に盛り付けます。

大根おろしや刻みねぎなど、付け合せは手前側に置く(前盛りと呼ぶ)。

日本料理の食事作法は、他文化の食事方法とは大きく異なる点が多い。

日本料理は素材に手を余り加えず、選ばれた素材そのものの風味、よさを引き立たせる素朴な調理法が尊重される傾向が強く、「素材の持ち味以上においしくしない」ことを原則とし「日本人はおいしいものを探しその持ち味を味わうことを第一としており、おいしくないものに手を加えてまで食べたいとは思わなかった」とその調理の「消極性」が表現されることもある。

これは濃厚な調味料を使い「積極的」に調味したフランス料理や中華料理と比較すると明白であり、豆腐料理における冷奴や湯豆腐に対する麻婆豆腐といった例をあげることができます。また、中華料理に良く見られる揚げた後に煮込んで揚げ浸しにしたりあんかけにすることで泥臭い川魚や獣肉を食べやすくするといった食材に対する融通性や油を多用した食材加工技術は、日本料理ではうなぎの蒲焼や南蛮漬け、茄子の揚げびたしのようなもの以外はあまり顕著ではありません。

 

食材

素材の新鮮さが特に尊重される。一般的に米をはじめとする穀物、野菜、豆類、果物、魚介類や海藻といった海産物、鳥類の肉などが使われ、乳製品はほとんど用いられない。特に海産物と大豆加工食品の利用の多彩さが特徴で、総じて低脂肪、高塩分であるとされる。このような特徴は韓国料理や東南アジアの食文化とも共通するが、それらの料理と比較して獣肉と油脂の利用が発達しておらず、風味の強い香辛料の使用が少ないという違いがある。新鮮な食材や良質な水に恵まれているため、素材の味を最大限に活かした味付けが尊重される。

調味の基調は塩、うま味を豊富に含んだ出汁(削り節や昆布などを煮出して作られる)、大豆を麹で発酵させた醤油、味噌である。日本酒や米酢などの米発酵調味料も多用される。甘みには水飴・みりんが使われるが、現代では砂糖を使うことが多い。ナタネ油、ゴマ油などの植物油を少量使い、ラードなどの動物性油脂はほとんど使用されない。食材を水にさらしたり茹でたり煮たりすることが多いため、水そのものの味も重視されています。

最近健康志向の流れで麹が調味料として話題になっています。

 

日本料理と米

古来より米価が物価の基準として用いられ、米本位制社会とも呼ばれたように、日本では主食・通貨として米が使用されるほど重要な物であり、「ご飯」という言葉は食事という意味と同時に米そのものも指します。「瑞穂国」が日本の美称としても使われ、稲荷神社が日本各地に存在し、秋の収穫祭の中心は米であり、天皇家においても新嘗祭は重要な行事であす。多くの日本料理が米(および日本酒)に対する副食としてデザインされており、炊飯米と合わせて食べたときにちょうど良くなるように塩味が調整される傾向にあります。

 

旬、季節感

季節感は日本料理の重要な要素になっている。「旬」の食材は美味しく、また市場に豊富に出回り値段も安く栄養価も高くなる傾向にあるため、生命力にあふれる素材そのものの味を楽しむ好機と考えられています。七草がゆのように、雑草特有の自然なあく強さや苦味も生命力を涵養する滋味として喜ばれてきまし。また初鰹のような季節を先取りする「走り」、落ち鮎のような翌年まで食べられなくなる直前の「名残」など、旬よりは味が落ちるが素材の扱いを変えるなど、同じ食材でも走り、旬、名残と三度の季節感が楽しまれることもあります。