「浮世絵 宝船」

横長に大きく描かれているのは、七福神を乗せた宝船。空には鶴が飛翔し、水中には蓑亀が泳いでいます。どちらも長寿を象徴する動物です。背後には水平線から朝日が昇り、遠くに雪を頂いた富士山が見えます。いかにもおめでたい一図ですが、このような宝船を描く絵は、実は江戸の正月に欠かせないもののひとつでした。正月二日の夜、宝船の絵を枕の下に敷いて眠れば吉夢を見て新年の運があけると信じられていたのです。そのため正月には、宝船の絵をうる宝船売りが江戸の町を行き交ったといわれます。なお本図は国芳、国貞、英泉という当時のトップ浮世絵師三人の合作という豪華版です。